日本法令の家族信託実務研究会に10月から参加しております。渋谷陽一郎先生による家族信託の講義を受講し、議論を交わしながら理解を深める研究会(ゼミ)です。渋谷陽一郎先生は、信託銀行法務部長、格付アナリスト、司法書士等様々な立場から信託の世界を経験されてきた先生であり、家族信託に関する書籍も多数出版されています。本年、1200超の問を収録した家族信託実務書の決定版「家族信託大全」を出版され、このゼミはその発刊を記念して開催されているものです。
前置きが長くなりましたが、そんな信託業務の第一人者である渋谷先生のゼミは、内容もやはりプレミアム!
今回のテーマは「家族信託の裁判例」でした。家族信託が一般に浸透し始めたのは2014年あたりからですが、その時に組成した信託契約が拗れて紛争となるのは更に数年後ですから、家族信託を巡る先例はまだ多くはありません。よって、何が紛争の火種になるのかを信託設定時に予測することは難しいものです。裁判例を学ぶことで、そこから教訓を見つけ出し、信託契約書における信託条項の作成に生かすことが可能になります。家族の幸せのために組成する家族信託が、紛争化するという悲劇を避けるために、こうした点も専門家として学び続けていきたいと思います。